そんな光景を壁に隠れて、
やきもきしながら一部始終
見てる俺も兄貴が
見てたら大笑いだ。


「ほらなっ。
 それより、雪貴あっちの方は?」


そう言いながら、
俺の隣に肩を並べる音弥。


「まだ手探りかな。

 俺の音楽を見つけたいから」



百花さんが退院してからは、
時折、スタジオを借りて
Ansyalの曲を演奏する。



誰かが一人、スタジオに入ると
メッセしたら、都合がついたメンバーが
ひょっこりと顔を出す。


最初、スタジオに顔を出すのは
俺か託実さん。


唯ちゃんと百花ちゃんは、
顔を出してる時もあれば、
二人で雑談を楽しんでる時もある。



そして祈さんが顔を出して、
最後に憲さんと十夜さん。



憲さんと十夜さんは、
家の仕事って言うのが
最近は忙しいみたいで
なかなか時間がとれないらしい。





メンバーが集まったら、
音だしして、即興でセッション。



セッションが乗ってきたところで、
十夜さんもフンフンと
メロディ-を口ずさむ。




そんな時間が流れて、
本格的にAnsyalの楽曲を
奏でていく。