兄貴が他界して、
もろもろの時間を経て、
再び動き出した
俺たちの時間。



相変わらず、学校の授業の合間に
Ansyalのメンバーと共に
練習するスタジオ。


スタジオ練習をしている間も、
メンバー内で
『今すぐAnsyalを再結成しよう』っと
言い出す存在はいなかった。



何時か、託実さんが言ってたみたいに
メンバー皆、
俺の高校卒業を待ってくれてるみたいだった。


学院内。


可愛いのに、本人曰く自覚のない
ノー天気な天然唯ちゃんの周りには、
毎日のように、あの手、この手で
男子生徒たちが集まってる。


そんな唯ちゃんを見つけると、
胸が締め付けられる。



俺は毎日、
唯ちゃんに恋してる。


朝が来るたびに、
新しい唯ちゃんに恋してる。



病院に居た頃は
俺だけの唯ちゃんだったんだけどな。



生徒がライバルって言うのは、
まだ何とかなるんだ。



だけど俺のライバルは、
男子生徒だけじゃない。



講師陣の中にも、
唯ちゃんに猛烈にアプローチしてる
奴が何人か居て、
その度に、やきもきしてる。