季節は過ぎて六月。


百花はようやく、
退院出来るまでに回復した。




知らない間に、
ガッツリと結ばれていた
百花は入院中から
ある意味VIP待遇。



何気なく出入りさせて
貰っていた建物が、
身内専用の特別室だと知った時は
正直絶句した。




まっ、そう言う私も距離を
縮めてたわけだから
何も言える立場ではないけど、
病室も雲泥の差。



百花の病室には、何時行っても
託実さんの姿がある。




見ているだけで、
二人とも幸せそうで

『ごちそうさまでした』って
言いたくなるくらいの
ラブラブぶり。



ちなみに百花の両親までもが、
託実さんとの交際を
応援しちゃってるわけで
その時点で、
私はすでに出遅れ気味。


雪貴の両親は
私を受け入れてくれてるけど、
私はまだ、自分の両親に
何も報告できないでいた。




「唯ちゃん、さぁ行こうか」




朝、出勤準備を整えた私の前には
学校に復学した雪貴。