そうだ。

譜面を見たとき、懐かしかった。



それはこの曲が
『星空と君の手』だから。



大切な人が亡くなって、
その人の為に、音楽を届けたいって
夜通し、必死に練習してた
兄貴と託実さん。


それを捧げた人が、
理佳さん……
百花さんのお姉さんだったんだ。



「託実さん。

 この曲は昔、
 理佳さんに送ったって言う
 (星空と君の手) ですよね」


俺の問いに、
静かに頷いた託実さん。


「雪貴、今は活動休止中の
 Ansyalだけど
 俺は解散させる
 つもりはないよ。
 
 Ansyalは、
 雪貴の卒業を待って
 活動をアクティブに開始。
 
 そのつもりで、
 居てくれ。
 
 隆雪の想いが詰まった
 Ansyalを
 このまま
 終わらせるなんて
 出来ない。
 
 他のメンバーにも
 事務所にも
 そのつもりで話を通してる。
 
 だから俺も、その日に
 俺の全ての想いを詰めた
 一曲を編成したい。

 俺の過去から
 現在、未来に繋がる一曲。
 
 Ansyalの
【星空の祈り】を受けて
 更に広がっていく
 Ansyal版
【星空と君の手】 」



Ansyal復活への道程。




そんなビジョンが
告げられた時、
俺も本当の意味で、
兄貴の想いを
受け継ぎたいと思った。




俺自身として、
Takaを受け継ぐ。