「Taka【貴】、ちょっといい?
このフレーズと、
このフレーズを続けて使うと、
流れてしまう気がするの。
だったらこっちの方が
まとまって聞こえない?」
いつも雪貴だった唯ちゃんが、
再び俺のことをTakaと呼んだ瞬間。
その響きが少し懐かしくて。
唯ちゃんが口ずさんだ、
フレーズを受けて、
更にギターのアレンジを進めていく。
「うん、そうだね。
なら俺は……こうかな。
あっ、でも、託実さん……
このフレーズ兄貴だと
こう弾きませんでしたか?」
ふと……脳裏に浮かんだフレーズを
紡ぎたくて、一言断ると……
兄貴が愛したフレーズを
その中に盛り込んでいく。
体に染みついた兄貴の音は、
今も色褪せることなく
俺自身の糧となってるのが
自覚できる。



