だから病室で、
百花に寄り添う、
託実さんを見て
びっくりした気持ちと
嫉妬した私と……。
寂しさ、悔しさ
心の中はもうぐちゃぐちゃで。
「唯ちゃん、マンションついたよ」
そう言うと、雪貴は私の体を支えるように
マンションの部屋の中へと連れて行く。
「ほらっ。
今、お風呂入れるから。
ご飯どうしよう?」
ソファーに
座らせた私に問いかける雪貴。
ご飯?
そうだね。
私はいらないけど、
雪貴には作らないと。
のそのそっと体を起こして、
自分の部屋で着替えを済ませると
そのまま冷蔵庫の中を物色して
簡単に和食を作る。
きゅうりの韓国風あえ。
唐揚げ。
つぶし豆腐のお味噌汁。
雪貴が少しでも食が進むように
ごま油を少し落としながら。
「はいっ」
テーブルに一人分だけ並べると、
そのまま重くなった体を引きずるように
自分のベッドへと倒れ込んだ。