百花が交通事故にあい、
緊急搬送された。



ようやく雪貴が
笑ってくれるようになって
少しずつ、いつもに
戻ってきたって思ってたのに。


土気色した百花の隣、
手を握って、
ぼーっと見つめる。




「唯ちゃん、
 そろそろ帰ろうか……」



百花の傍から動けないで居る私に、
雪貴が背後から声をかけて
ゆっくりと体を抱え上げる。



「託実さん……。

 じゃ、俺……
 唯ちゃん連れて帰ります」



私の向かい側、
同じように百花の手を握りしめて
ずっと目覚めるのを
待ち続けてる託実さんに声をかける。


「あっ、あぁ。
 雪貴、唯ちゃん、有難う」


託実さんの声を受けると、
雪貴は、そのまま託実さんに一礼して
私の肩腕をまわして病室から連れ出す。




……バカみたい……。






いつもと同じ繰り返し。