LIVE仕様じゃなくて、
普段使い仕様で、
服を選んで
着替えを済ませると、
リビングには見慣れた
私服姿の雪貴。



スラっとした身長に、
前よりも痩せた体。


黒っぽいTシャツに、
Gパン。


上から7分袖の
クシュクシュ素材シャツを
羽織っただけなのに、
凄く大人っぽくて思わず
キュンと心が躍ってしまう。



「お待たせ。
 
 唯ちゃん、
 こんなのでいいかな?」



そう言って私に笑いかける雪貴に
にっこりと笑い返した。



「唯ちゃんも可愛いよ。

 武装姿の唯ちゃんも可愛かったけど、
 素の唯ちゃんはもっと可愛い。

 またプレゼントするよ。
 俺好みの唯ちゃんに着てほしい服」



そんな風にいいながら、
雪貴は私の手をとって、
マンションのエントランスを出た。



二人、並んで久しぶりの外出。



車も免許も持ってない
私は電車と徒歩移動。



少し強い日差しを浴びながら、
雪貴と二人、電車を乗り継ぎ
隆雪さんの眠る場所へと移動する。


移動を初めて40分。


ようやく辿りついた、
お墓の前で、
私は花束を花筒に飾って
周辺の草むしり。



もう4回目だね。



お墓の手入れをする傍、
ただ言葉を発することなく、
隆雪さんの眠る墓石に
手を触れて立ち尽くす雪貴。