寂しくなれば、
隆雪さんから貰った宝物を聴く。
そんな時間を過ごして、
雪貴と今一度、向き合った時、
彼の心は崩壊してた。
今まで散々、
私は支えて貰ってたのに……。
想い出の雪深い
あの山奥で見つけた
私の瞳に弱々しく映る
変わり果てた彼の姿が
たまらなく愛おしかった。
震えるその体も
心も全て温めたい。
どれだけ時間がかかっても。
雪貴が私にとって
大切な存在であることはわからないから。
愛しい存在であることは変わらないから。
死に捕らわれた瞳。
食を受け付けない体。
世界を映さない瞳。
全てを拒絶した状態で、
ようやく再会した雪貴と
あの日から、二人三脚の日々。
学校とマンションと病室の往復で、
気が付いたら再会から一か月。
全く受け付けなかった体は、
私が作ったものなら、
少しずつ受け入れてくれるようになった。