唯ちゃんが居なくなった病室。 手にした、林檎ジュースを 少しずつ時間をかけて、 口に含んでいく。 ただ、カップ一杯の林檎ジュースすら、 飲み干すのに長い時間がかかる。 途中、押し寄せてくる 吐き気と必死に戦いながら 飲みきる。 唯ちゃんは光だから。 今もこんな俺に 真っ直ぐに向き合ってくれる。 唯ちゃんが俺を見つめる 眼差しが優しくて。 今日も彼女の優しさに、 甘えてしまう。 彼女だけが、 暗闇の中の一筋の光だから。