学校にばれるわけにもいかない
そんな秘密の恋だけど、
それでも……
生きていく力をくれるには
十分すぎる素敵な恋。






「唯ちゃん……、
 行ってらっしゃい」





病室のベッドから
送り出してくれる雪貴。




「うん、行ってくるね。
 雪貴も絶対安静だからね。

 無理しちゃ駄目だからね」



そう返して、
病室のドアをゆっくりと閉じた。





新しい日々が始まる。







病院の玄関から見上げた天【そら】は
何処まで澄み渡っていた。









第一章
「記憶の中の真実」



Fin