兄貴は……
唯ちゃんに救われて、
生まれ変わったんだって思った。
そして……
唯ちゃんもまた、
兄貴に出会って生まれ変わった。
忘れていた
俺の光の記憶は、
唯ちゃんに繋がってた。
唯ちゃんから、
今日まで続いてた。
ちゃんと始まってたんだ。
首筋に触れる
指先が俺のところから、
ゆっくりと離れていく。
「唯香ちゃん、大丈夫。
雪貴くん、
落ち着いてきたよ」
ゆっくりと重い瞼を
開いたその先には
俺が良く知った二人が
微笑んだ。
「心配させないでよ。
もう置いてかないでよ」
唯ちゃんの瞳から、
温かい涙が
ポタポタと零れ落ちては
俺の頬を濡らしていく。
「唯ちゃん、一度、戻るよ。
積もる話は後。
雪貴君の治療が優先」
唯ちゃんの主治医は、
そう言うと、
優しく微笑んで慣れた手つきで、
俺を抱え上げた。
隣に唯ちゃんがいる。



