「唯香ちゃん。 どうしたの、 そんなに乱れて」 裕医師に言われて、ようやく 今の自分の姿に我に返る。 「あっ、あのぉー」 雪貴くん、 入院してないですか? Takaの主治医の医師 何処ですか? 紡ぎだそうと思う言葉は 咽元から出てこなくて 心だけが苦しくなる。 ふと、暖かく 触れてくる手の温もり。 「落ち着いて。 ゆっくり深呼吸して。 そしたら楽になるから」 その声に誘導されるように 呼吸を整えていくと、 ゆっくりと その苦しさから解放される。