嘘……。
こんなにも近くに
本当が隠されていたなんて。
そしてCDは、
やがて自分でも初めて聴く
音色へと変わっていく。
それは天の調べの
原曲のようで
とても優しく降り注いだ。
隆雪さんの
ギターの音色だけで
語られた
『光の記憶』に似て。
一枚の紙に
小さな繊細な文字で
書き綴られた手紙を
握りしめて私は
声をあげて泣いた……。
声を殺すのではなくて
声をあげて。
泣き疲れて
眠ってしまったらしい状態で
目が覚めた私。
鏡を覗き込むと、
腫れすぎた私の顔が
フサイクに映し出される。
ゆっくりと起こした体は
何故か、すっきりしていて
軽くなっていた。



