それが出来たのは間違いなく、
私をずっと思い続けてくれた
彼の存在が大きい。


彼自身が
傷つくのを知りながらも
私を思って、
その時間を作ってくれた
そんな彼を抱きしめたい。



彼の人肌が
恋しくなるほどに。





だけど……
今、彼は私の傍に居ない。



最後に見たのは、
Takaの告別式。



その日を境に、
彼の姿を見ることはなくなった。


冬休みを病院で過ごして、
三学期初日。

今日こそは雪貴くんに逢えると
思っていたのに、
学年主任を通して手渡されたのは、
彼の休学届。


理由は、療養の為。


季節は過ぎていくのに、
雪貴くんとは連絡がとれないまま
一ヶ月が過ぎた。


雪貴くんが不在の教室。

学校……。



彼がAnsyalのTakaだったと
生徒たちに知れ渡ることにもなり、
学院内は騒ついていた。



そんなざわついたクラスを
まとめ上げてくれるのは、
雪貴くんの片腕、
霧生【きりゅう】くん。