兄貴……。
タクシーを手配して、
早々に兄貴の待つ病院へと戻る。
病院前には、Ansyalの
ファンの子たちが、
何処をどう情報を手に入れたのか
マスコミの記者と共に、
真っ黒な服を着て集まってきていた。
そんなファンたちを見つめながらに
関係者入口から病院内に入る。
「雪貴」
待合室のソファー。
俺の帰りを心配しながら
待ってくれていた
託実さんが、俺の肩を無言で叩く。
「お帰り。雪貴」
「さっき事務所を通して、
隆雪の死を速報して貰った。
今から、
俺たちは記者会見に行ってくる。
雪貴は、
隆雪の傍にいてやりな。
アイツ、凄く穏やかに眠ってるよ」
そう言うと、
託実さんは、マスコミの群れの中に、
姿を消していく。
兄貴の眠っていた病室に
兄貴の姿はなく、
霊安室へと移動された後だった。
霊安室の前。
両親は葬儀会社の人たちと
打ち合わせを重ねていく。



