Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】







「唯ちゃん……」




手を伸ばして、
唯ちゃんを抱きしめようとしても、
その手は俺を振り払って、
ベッドで眠り続ける
兄貴に縋りつく。






唯ちゃんが
泣き叫ぶ病室の中で
兄貴の最期を告げる
アラームが鳴り響いた。





「いやぁぁぁぁぁぁ~~」






叫び続けた唯ちゃんは、
アラームが鳴り響いた途端、
意識を失うようにして、
崩れ落ちる。



そんな唯ちゃんを
待機していた、
唯ちゃんの主治医が
受け止めると、
唯ちゃんを連れて、
病室を慌ただしく、
駆け抜けていく。





アラームの電源を
ゆっくりと落とすと、
途端に病院内が
シーンっと静まり返る。






「午後20時40分。
 ご臨終です」






兄貴の最期を告げると
主治医は一礼して、
病室を後にする。





ゆっくりと
手を伸ばして触れた兄貴は
痩せ細っていたけど
まだ温かかった。




死の実感すら抱くことが
出来ない俺は、
病室をふらふら後にする。




何処に行きたいわけでもない。


空っぽになった俺は、
夜の街を歩き続ける。




何度も何度も、
着信を告げる
コールが鳴り響く。