「唯ちゃん、行こうか」

「うん。
 今日は、ご飯どうしよう?」

「唯ちゃんが
 俺に作りたいものでいいよ」

「えぇ、難しいよ」




電車を乗り継ぎ、
自宅近くのスーパーで
新婚夫婦みたいな会話を繰り広げる
私たち二人。




私たち二人って、
どんな風に映ってるんだろうか。



ちゃんと、
恋人同士に見えるのかな?





私が微笑む隣で、
私に笑いかける彼の笑顔。




その笑顔が時折、
陰るのが気になりながらも
私は今のこの楽しい
時間にしがみ続ける。 




夕食の後、
彼にお風呂を進めて、
後片付けをしている間に、
百花からの着信か入る。



慌てて洗物を続けた手を
タオルで簡単に拭きとると
携帯電話を着信させる。