ゆっくりと辿っていく
舌先の感触がくすぐったくて
そして逃げ場所のない空間が
酸素をより薄くして、
息を荒げながら、
頭が痺れていくような
力の抜けていく感覚に
身を任せてた。



長く甘い時間。



二人を繋げていた
細い糸が
ゆっくりと離れる。



抱きしめる彼の腕は
やっぱり私にとっては、
最高に落ち着ける場所で。




最後の一時間を、
バラバラに過ごし終えて、
SHRの後、
大学病院の玄関で
再び合流した。



いつもと変わらない、
診察の時間が終わり、
彼もまた診察の時間が
終わるまでの間に
自分の用事を済ませて、
私の前に顔を覗かせる。




なんでもこの病院に、
彼のお兄さんが
長く入院してるらしくて
それも私の病院に付き合ってくれる、
一つの要因でもあったみたい。




どんな要因があっても、
やっぱり一緒に居られる時間は
私にとっては、
最高に贅沢で、幸せな時間で。




彼を知ってから、
私の世界が
一気に明るくなっていたのが
自分でも感じられるから。