彼の何気ない仕草や
笑顔にドキドキ時めいて
鼓動が高鳴る。
離れている時間は、
気が付くと彼を想い、
彼を求めてしまう。
彼とともに
過ごす一緒の時間は
他の何よりも甘くて。
授業中も無意識のうちに、
彼の姿を私の視線は
追いかけてしまう。
体育の授業。
音楽室の窓越しに
グランドを駆け抜ける
彼の姿を見つけるだけで
視線が離せなくなる。
あの日から続く
そんな時間。
告白したわけでも、
されたわけでもないのに、
心地よく感じる
二人の関係。
「唯ちゃん、
今日も病院?」
彼はいつものように、
甘い声で唯ちゃんと
私の名前を紡ぐ。