会場にはすでに、
コンクールを見届ける観客の人たちが
ドレスアップして集まっている。
エントリー票を係員に見せて、
先に会場内へと入室する。
控室まで直行して、
そこでステージの準備をしていると、
ノック音がして、
扉がゆっくりと開かれる。
「只今より、
本日のオーケストラ。
DTVTとの
合同リハーサルを始めます。
大会出場者の皆様は、
出演順に、
ステージの方までお願いします」
係りの人の声に、
控室内に、どよめきが響き渡り、
次に支度が整った順に、
出演者がステージの袖へと向かう。
DTVTか。
女神が微笑んだんだか
悪魔が囁いたんだか。
すでに何度かの練習をさせて
貰っている身の俺には
これ以上の練習は、
出場に後ろめたさを
感じずにはおられず、
居心地の悪さが
俺自身をさらに蝕んでいく。



