ただそれだけの事なのに、
俺には、それすらも出来ない。
愛しいだけでは
何をすることも出来ないんだと
現実を突き付けられた二学期はじめ。
コンクールの練習に
集中したいからと
学校に申し出でて、
コンクールが終わるまで、
休ませてもらうことにした。
俺が傍に居続けて、
唯ちゃんを
傷つけるすぎるくらいなら
俺なんか傍に居ない方がいい。
唯ちゃんには兄貴がいる。
今は覚えてなくても、
唯ちゃんには、忘れた今も、
Takaと兄貴が居て
俺には入り込む
隙間一つないんだ。
離れるのが、
多分……
唯ちゃんの幸せに繋がるんだ。
眠れない夜。
眠れない時間。
何度も何度も、
自分に諭して言い聞かすように
同じ言葉を
呪文のように呟く。



