唯ちゃんの退院前夜。


唯ちゃんの主治医の計らいで
思いがけず世界のオーケストラ、
DTVTと一緒に
演奏をすることが出来た。



あの後から、
唯ちゃんの態度がよそよそしい。





Takaを忘れて、
Takaと兄貴の狭間で
揺れ動く俺は、落ち着いた。



唯ちゃんが失った記憶は、
俺にとっても、
心の片隅に抱き続ける
罪悪感を忘れさせるには
十分すぎる代物。


だけどTakaと
兄貴の居なくなった隙間を
俺自身で埋められればなんて
正直、思ってた。






それが甘すぎる考えだと
突きつけられたのはすぐ。