俺が聞けないでいる 質問を託実さんが ストレートにぶつける。 その言葉に対して、 二人の医師は、 ゆっくりと横に首を振った。 わからないの? 唯ちゃんが記憶を 忘れたいほどの 苦痛だった出来事なら 覚えていなくていいと思う俺。 それでも思い出してほしいと 望む俺自身。 「記憶が現時点では、 取り戻すのか、 そのままなのかも 正直わかりません。 何かのきっかけで、 ふと取り戻すこともあります」 唯ちゃんの主治医が 静かに告げた。