「この間、雪貴君が連れてきた
 女の子いたよね」



唯ちゃん?



「悠久先生、
 それって担任の唯ちゃん?」



医師は静かに頷く。



「唯ちゃんがどうかしたの?」



その名前に
過剰反応するかのように
俺は悠久先生の体を揺すって
続く言葉を待つ。



そんな俺の行動を制するように
困った顔をして、
俺の揺すり続ける手を
掴んで静かに下ろした後、
真っ直ぐに向き直って紡いだ。




「僕たちには、
 守秘義務って言うのがあるのは
 知ってるよね。

 まずは彼女と、
 雪貴くんの関係は?」