夏休みも残り一週間。 ツアーが終わって住み慣れた街に 戻ってきた俺は、 託実さんと一緒に LIVEの無事が終わった旨を 報告しに病院に訪れていた。 「こんにちは。 雪貴くん」 ナースステーションに顔を 出した途端、 親しい兄貴の担当看護師が 何か言いたげな表情を見せて 近寄ってきた。 「託実さん、先に兄貴のところ、 行ってて貰えますか?」 託実さんに一言、 断りをいれて 俺はもう一度向き直った。 「あぁ、雪貴くん、 帰ってきたんだね。 お帰り」 今度は兄貴の主治医が 姿を見せる。