眠り続ける
Takaに触れる指先。







微かに伝わるその温もりは
Takaが生きているのを
教えてくれる。









だけど私の心は
満たされない。





冷たく機能を
止めてしまった心は
その温もりすらも
奥には届かなくて。








規則正しく、
繰り返される機械音は
相変わらず、
無機質に病室に
響き続けるだけで。







ただ苦しく
時が過ぎ去るだけ。








もう一度、ベッドに
しがみつくようにして
立ち上がるとTakaが
眠る病室を
ふらふらと後にする。




何処に行きたいわけじゃない。

ただ……この闇から
抜け出す光が欲しいだけ……。