演奏しながら
何度も何度も
心の中で念じ続ける。






ギターを会場内に、
泣かせるように
響き渡らせながら
俺自身からも涙がとめどなく
溢れはじめて
どうしようもなくなった。





そんな俺を
フォローするように、
十夜さんは、
歌いながら近付いてきて
俺の涙を観客側からは、
他のシチュエーションに
見える角度で拭いさる。




途端に会場内からは、
悲鳴に近い歓声が響き渡る。






『光射す庭』が静かに
フィールドアウトした後、
十夜さんは、
いつもの調子で


「はいっ。

 ご馳走さん」


なんてファンを煽る
MCで焚きつける。