「光射す庭で」




少し俯き加減で、
十夜さんが曲名を告げると
会場内が、
一瞬歓声に湧き上がって
シーンと静まり返る。




アコースティックな音色と
哀愁を醸し出すサウンドが
柔らかく、
会場内を包み込む。




そこには兄貴、
隆雪への
メンバーの想いが詰まった一曲。






その時、その会場を
包む空気だけは俺の心も、
優しく包み込んでくれる。




俺が抱く罪悪感をも
その温もりで、
包み込んでくれる。






俺がTakaの狭間で
揺れ動くのを知っている
託実さんだからこそ……。





この一曲を今、
ここで選んでくれた。