兄貴……。
悪いな、
行こうか。
兄貴は
演奏したかったよな。
俺が、こんなとこで
くたばっちまったら
兄貴は好きなLIVE出来ないよな。
兄貴の相棒を手にして、
俺はゆっくりと楽屋を後にすると
ステージの方へ向かう。
ステージ袖。
俺が姿を見せると、
マネージャーが近付いてくる。
「大丈夫?
雪貴、熱出てたのよ。
託実が心配してたわ」
兄貴が唯ちゃんを
思っているのを知って、
身を引きながらも
今も兄貴に関わっていたい
兄貴を思い続けるマネージャー。
耳元でひっそりと、
俺自身の名を
小さく紡いで気遣う。
「すいません。
次の曲から出ます。
もう落ち着きましたから。
兄貴と最高のステージ
楽しんできます」
「そう。
そのかわり、
無茶は絶対にしないで。
雪貴が無理をして悲しむのは
託実たちもそうだけど、
隆雪だと思うから」
兄貴の居場所は
俺が守るから。



