『えぇ、ゲームの結果が
 当選者が決定しました。

 流石、ファンの子たち
 愛で頑張りますねー。
 
 折角のディズニーにしたのに、
 思ったよりもリタイア者は
 出なかったみたいです。

 まず、十夜。
 鮫島静香さんのエスコートを』

『了解』

『続いて、祈。
 近藤澄香さんのエスコートを』

『わかった。澄香さんね』

俺の名前を呼ばれるのが
どのタイミングなのか
わからないままに
待ち続けた時間。

唯ちゃんで
あって欲しい気持ちと
唯ちゃんとは
別のファンであって欲しい気持ちと
複雑に俺の中で葛藤していく。



『次、託実』

『俺ね、相手可愛い子だといいけど』

『可愛いかどうかは、自分で確かめて。
静宮弘子さん』

『OK』

次はどっちだ?

『憲、二階堂薫子さん』

『かしこまり』

最後は俺だよな。


マネージャーから
伝えられる結果に
キツク握り拳を作りながら
その瞬間を待つ。


『最後。
 Takaの相手は
 緋崎唯香さん』


えっ?

今、何ていった?


唯ちゃん?

唯ちゃんの名前
言わなかった?



『Taka?
 聞いてるの?』


マネージャーの声に
我を取り戻して
小さく『はい』と答えた
一時間前。