「有難う。
唯ちゃん、練習に戻るよ」
「うん。
一体、何時まで練習するの?
もう遅いから
あんまり無理しないよ」
「うん」
「お休みなさい」
「おやすみ、唯ちゃん」
電話は静かに切られた。
俺が見失っていた初心。
いつの間にか忘れてた。
唯ちゃんに包まれた暖かさを抱いて
俺はスタジオに戻る。
「すいませんでした」
ドアを開けて中に入らずに
顔だけ見せる。
「雪貴。
なんて恰好してんだよ…………」
歌ってた十夜さんが
それを中断して
俺の方に近寄ってくる。
「雪貴、突っ立ってないで
こっちに来い」
託実さんに
グイっと腕を引っ張られると
スタジオの奥にある
シャワールームへと
放り込まれる。



