Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】




「それで、あのワンピースなんだけど」

「あぁ。

 あれは、唯ちゃんが良かったら
 使ってよ。

 要らなかったら、捨ててもいいし。
 俺に返されても困るだけだし」



泣きそうになるのを
必死に堪えながら
唯ちゃんの声を
体の中に浸透させていく。



「そっ、そうだねー。

 大切に使わせてもらうね。
 有難う」

「……うん……」

「ねぇ……」


俺が頷いた後、
唯ちゃんが柔らかに
切り込んできた。


俺は思わず構える。


唯ちゃんの生徒となって、
この数か月で学習したこと。



唯ちゃんは、
外見のほんわかさに似合わず
切り口は鋭く
容赦ないということ。



「何かあった?

 宮向井くんの声を聞いた
 私を騙せると思う?

 何か抱えてる物あるなら
 先生に言ってみなさいって。

 こう見えても、
 宮向井くんよりは
 経験値は豊富だと思うよ。

 ただ恋愛ネタだけは、
 許してね」


電話の向こう、
俺が話しやすいように何だろうけど
テンポある口調で、
少しちゃかすように
スバズバと突きつけられる言葉。