これは俺自身の問題。



兄貴の身代わりが嫌なんじゃない。

兄貴の為に出来ることは
精一杯したい。


兄貴の帰る場所を
守り続けることは俺にとって
誇りでもあるから……。



だけど……
そんな思いと並行して圧し掛かる
Takaの名の重み。




そんな迷路のなか
彷徨い続ける俺は、
抜け道を見つけることが出来ないでいた。




「雪貴、何してる?
 今は練習中だぞ」



託実さんの声に、
俺は一気に現実に引き戻された。






そうだ……。
今は、練習中。




夏のファンクラブ旅行の時に
ゲームに勝った
20名だけにプレゼントされる
未発表非売品曲。