~その後~ ―――僕は長年この仕事をしているけど、生徒と付き合った事はない。 想いが通じたあの日、次の日も授業がある私を家に送った時に、そう聞いた。 …私は、帰りたくないって言ったのに。 授業はきっちり出なきゃダメだ、なんて親みたいに言うもんだから、結局ご飯を食べた後すぐ帰宅したのだ。 その話は良いとして。 生徒じゃなくて“元・生徒”だと即座に訂正した私の頭を撫で、その通りだと言って先生は笑っていた。