―――私は、この後の自分の行動を褒めたいといつも思っている。前よりも涙を流す回数が多くなると分かっていても、同じ事をしただろうから。


授業は終わり、たくさんの人が教室から出て来た。周りは急にざわついた空間に変わり、人込みが苦手な私は少し壁際に身を寄せた。

と、急に友人が私の手を引っ張ったのだ。


「え!?な…何??」

「…いい?私が協力するのは今日が最後だからね。暇な大学生に付き合う程、余裕はないのよ。」


引かれるままについて行き、階段を登っていく。

彼女は、笑顔だった。


「しかし…こんなギリギリな状況になんないと行動しないなんて…大学でレポートとかちゃんと出してる?」

「…うん。出せてる。」


いつもそうやって、心配してくれるんだ。去年も、今も。


「ココにいれば、会えるよ。」


着いたのは、4階。目の前の教室は、まだ授業が終わってなかった。ポンと頭を叩かれて彼女を見ると、階段を登って息を切らせている事を笑われた。


「いっつも延長してたの思い出してね。多分、最後の方に出て来るよ。」

「あの人が?」

「当たり前でしょ!ボサッとしてたらダメだよ?」