「あー今日も終わったー」

「忠野さん、私メロンパン持って帰ります!」


「うん、今日までに食べてなー」


「じゃあお先に失礼しまーす」




…閉店後の作業。

残ったパンの撤去。厨房の片付け、清掃…。

パンは持って帰れるから自分でも嬉しい。



「うーん今日も結構余ったなー」


もうすぐ美桜も来るし、余ったパンで悪いけど良かったら持って帰って貰おう。




―トントン



ドアの方からノック音がした。

ふっとドアの方を見る。

「悠くん、入っても大丈夫?」


小さな声でそう聞こえた、美桜がドアの一歩手前に立っていた。


「ごめん、美桜。今開ける。」


もう、作動を止めた自動ドアを手で開け、美桜を中まで入れた。