ケガレ

そんな幸せにもすぐに終わりがくる。

しんごさんにはやっぱり欠点が多すぎた。

付き合ってる間に3回仕事を変えた。やつは。

まず先に、そいつは昔大阪にいた。

大阪で仕事をしていたが、何年か前に母が亡くなり、

父の面倒みるのにこの辺に帰ってきているんだと。

一回め、仕事を変える時、大阪に戻りたいという話をされた。

幸せが壊れるのがこわい私は、泣きまくった。

さみしい。嫌だ。離れたくない。

思ってもみないことを並べてせがんだ。

結果、そいつは残って仕事を探した。




しばらく経つと、2回めの相談。

大阪に戻りたいと。

戻ったほうが働き口があるし。

ここでも仕事は探せるでしょ?

こないだだって、結局残ったじゃん!

お願い。

ぐすぐす電話で泣いてみる。

次にあった時に言われた。

大丈夫。俺はどこにも行かないよ。

抱きしめられる。

泣いて見せておいて、

彼には見えない私の顔はきっと無表情。

ばれないように腕に力を入れるけど、

幸せは1ミリも感じない。

心はからっぽ。

あなたに彼氏の肩書きがついているのが私の幸せ。

新しいの探そうかな、そんなこと考えながら言う


「大好き。」