ケガレ

遊びに行く時、うちの家って、誰とどこに行くか言わなきゃならんのさ

彼氏と会う時、いっつも同んなじ名前の子ばっかだしてると

親に感づかれた。

彼氏できた?って

んで、うちが夜中ずっと起きてチャットしてるのしってたし、

すぐに言われた。

まさか、チャットの人?

上手に嘘がつけない私はすぐにばれた。

年上の人と付き合うってことなら紹介しなさい
でなけゃ、会わせんと

父に会わせた。

変なやつではないし、仕事はしてたし、

とりあえず認めてもらえた。

公認になれると、母に今日なんしたーどこいったーて話すのが楽しくて、

学校でもそんな年上の彼氏とか珍しいから

友達じゃない人とも話ができて、

グループの中でぼんやりへらへらしてばっかりだったのが

彼氏の話聞きにみんながよってきて、

いっぱい話せて、すごく幸せだった。

話題がつくれてみんながよってくることで、

前より仲良くなれた気がした。

生きてきた中で1番幸せな期間だったねあの頃は。

うちは16で相手は30で、よっぽど可愛かったんだろうね

すごく可愛がってもらえたし、好き好き言ってもらえたし

誰かの1番でいるのが幸せすぎた。

初体験もファーストキスも、

全部その人。

かっこよくなくったって、私のことを1番に大好きでいてくれたから、私も大好きだった。



と思っていた。

思い込んでいたのに近い。

ヒゲそらない人嫌いなのに、よくそり残し目立つ顔でくるし、

服がよく同んなじだし

お腹でてるし、

顔デカイし

メール短文だし

デートもおんなじとこばっかだし

歌下手だし

ノリが変だし

時たま話が合わないし

好きなとこって言ったら人柄だけ。

あとは全てにおいて妥協してた。

それでも別れなかったのは、

学校での、みんながよってくる幸せと

誰かの1番でいる幸せと

年上の人と付き合ってることで、自分が大人になれた気がするのと、

彼氏がいる優越感と、

姉と違うっていう幸せ。

くだらなくてもそれが幸せだった。

私を普通の人間だと、みんなに思ってもらうために、我慢することで手に入れた幸せ。

あ、

あとはあれだ

親が年上すぎるって反対してたのも、別れない理由。

反対されればされるほど、絶対に別れないと強く思った。