「…楠本。早く席つけ」 「あ…はい」 カトセンに怒られたいがために授業をサボる人がいるとか。 まあ、あたしは嫌だけど。 カトセンに注意されて窓際のいちばん後ろの席に座る。 ここの席、外の景色が見れて最高なんだ。 「入りたい部活決めとけよ。マネージャーも運動部はありだから。締め切りはあと1週間だからな」 カトセンの話そっちのけで、あたしは外の景色をずっと見ていた。 4月まで桜を咲かせていた木は、緑に染まりつつある。