篠崎柚(しのさきゆず)、通称ユズ姉は、あたしより6歳年上の21歳。
黒い髪は胸まで伸びていて、ネイルもメイクもバッチリのキレイ系の近所のお姉さん。
昔から仲良しで、今でも食事したりショッピングしたりする仲なんだ。
「ユズ姉ぇ…寝坊したのぉ……ッ」
「またぁ?とりあえず乗りな!送ってくよ?」
「うぅ…ユズ姉ありがとぉ…」
鼻水や涙やらでグチャグチャの顔で笑顔をつくって助手席に乗り込む。
「ユズ姉~…大好きぃ…」
「ったく…。ほら、涙拭きな。あと10分以内に学校着くよ」
ユズ姉は"泣き虫なんだから…"と、右手で運転をしながら左手でティッシュの箱を差し出してきた。
それで鼻をかんだり涙を拭いたりしているうちに、学校の校門が見えてきた。

