草食系の狼さん




「…可愛い、悠里ちゃん」



小さく笑った先輩は、仰向けにしていた体をこちらに向けてきた。



うわわわわわ……。



近すぎるって…!




「おやすみ~悠里ちゃん」


「え、ちょっ、先輩…?」


この状態で寝るの!?


こんなんじゃ寝れないよ…。



そんなあたしの思いも束の間、先輩はもう目を瞑っていて、


規則正しい寝息が聞こえるだけだった。




先輩……寝ちゃった!?


ちょっと早くない!?



驚きつつもあたしは先輩の寝顔をまじまじと見つめてしまった。