草食系の狼さん





「なんか緊張してる?」



先輩は楽しそうにクスッと笑って、更にあたしを引き寄せる。




う、わああぁ……ちょっとちょっとちょっとおおお!!!




ち、近いですって……っ!




「修夜先輩……近い、です…」



「ふふっ…そう?俺はそう思わないけど」



先輩…絶対楽しんでる!


さっきからずっと意地悪な顔してるもん!



あたしがちょっと顔を上げれば、先輩と目がバッチリ合う。


その距離、数十センチ。



男の子人とこんな近い距離…ましてやこんな状況になったことがないあたしは、アタフタするばかり。



それに対して先輩は何もないような、涼しい顔をしている。