草食系の狼さん





「もっとこっちおいでよ」



「えっ、先輩――…」



先輩はフッと急に意地悪な顔になって、あたしの腕をグイッと引き寄せた。



先輩との距離が近くなって、先輩の顔がすぐ目の前に…。


さっきまでの表情は無くなっていて、口角を上げて目を細めていた。



その表情にまたもやドキドキと心臓が高まる。




先輩とは2回しか会ってないのに、何でだろう……。


会う度に毎回、ドキドキさせられるんだ……。