「…同伴ってこと?」
あたしと凛は今日も仕事。
仕事の前にお祭りに行くなんて、同伴しか思い浮かばない。
そんなあたしに、
「智哉と翔琉と4人でお祭りだよ」
凛はにっこり笑って言った。
ーーー翔琉?
その名前に反応して、やっとあたしは目が覚めた。
「同伴は、みーちゃんの自由だけど」
そう付け加えて、凛は自分の準備を始めた。
ーーー別に同伴なんて望んでない。
翔琉が相手なら、尚更そう思ってしまう。
でも翔琉はそれを望んでるの?
よくわからないまま、あたしは洗面所へ向かった。
ーーーとりあえず、準備しなきゃ。
まだ眠そうな顔を冷たい水で洗い、しっかり眠気を飛ばした。
「私服でいこう?」
リビングに戻ると、凛は化粧をしながらこっちを見た。
「凛なら浴衣着て行くと思った」
「実家まで取りにいかなきゃ無いの」
ーーーでも、ちょうどいいかも。
歩きにくい浴衣は好きじゃないし。
「じゃあ、私服にしよ」
そう言って、あたしも準備に取りかかった。