甘い蜜



凛の部屋を出てから、上の階のあたしの部屋に2人で向かった。


部屋に入るなり、あたしは真っ直ぐキッチンへ行ってグラスを2つ手に取った。


「みーちゃん、まだまだ飲みたりないんでしょ?」

リビングから聞こえる凛の声に、

「よくわかったね」

と返事をした。


ーーー本当によくわかってる。

あたしがどれだけ酒豪なのかは、きっと凛が1番知ってるに違いない。

自然と笑いが漏れる。


リビングでくつろぐ凛の隣に腰を下ろすと、早速焼酎を多めに注がれた。

あたしはそれをウーロン茶で割って、凛と乾杯。


凛が口を開く前に、

「今日ありがと」

と、あたしは凛にお礼を言った。


その瞬間、凛の顔には嬉しさが滲みでて、

「ね、楽しかった?楽しかったしょ?」

と、しつこく聞いてきた。


そんな凛に、ついあたしは笑ってしまう。


ーーーもちろん、楽しかった。

翔琉の新たな一面も見れたし。


「でも、最初に教えてくれても良かったじゃん」


凛の企むことは、いつも何となくわかってしまう。

でも流石に4人でアフターに行く、という事までは予想していなかった。