甘い蜜




「誰?」

「翔琉」



ーーー翔琉!?



「ないない。絶対ありえない」


だって昨日のあの冷たい態度。

アフターの誘いもなし。

番号交換も拒否。


ーーー絶対にありえない。


「あんなに冷たい客、あたし初めてだよ」


「でも、飲み屋に行って翔琉が女の子指名するなんて、初めてらしいよ」



ーーーそんなの、信じられない。


もしそれが本当でも、きっと指名して失敗したと思ってるはず。


一度も話したことがないのに指名してくれたんだから、ありえる話だ。


「でももう、あたしは指名されないよ」


ーーー指名されるはずがない。


「いや、絶対また指名される!」


強く言い切った凛。


ーーー何でそこまで断言できるの?

あたしには、よくわからない。