甘い蜜




カーテンの隙間から漏れる太陽の光と、耳元で鳴り止まない携帯の着信音。

そして玄関のチャイムが鳴り響く、あたしの部屋。


「もうちょっと…」

ーーーもうちょっと寝かせて。


でもそんなあたしの願いは、届く気配がない。


諦めてベッドを出た。


眠たい目を擦りながら、玄関までの距離をフラフラと歩きドアを開ける。


「みーちゃんやっと起きた!おはよ!」


凛が顔をだし、その元気な声にあたしの眠気はさらに飛ぶ。


「凛、今何時?」

あたしを通り過ぎ部屋に上がる、凛の背中に聞いた。


「もう昼だよ。顔洗っておいで」


見慣れた、カーテンをあける凛の後姿。

また今日も起こしにきてくれたことに感謝して、あたしは洗面所へ向かった。



鏡に映るあたしの顔はまだ眠そう。

冷たい水で顔を洗って、眠気をしっかり飛ばした。


「アフターどうだった?」


タオルで顔を拭きながら、ソファに座る凛の隣に腰をおろした。