「お…おはよー…えーっと、何でそんなにアンタは落ち込んでんの?
あれ?聞いてる?
おーい。夏音ちゃーん!」
遠くで…いや、実際は隣で親友である
川崎理恵が私を呼んでいる。
「おーい?夏音?
…ハァ、また夏目か。」
「今そいつの名前を出さないで。」
「う…うん。」
私の気迫に圧されたのか理恵は黙ってくれた。
なんて今日は厄日なのだろう。
朝からアイツは居るし、布団は還らぬ
人…いや、還らぬ布団になってしまっ
た。
…私の愛しの布団ちゃん。
仇は討ってあげるから。しばらく待っていてくれ。
「ねぇ、アイツのどこがかっこいいの?
何であんな胡散臭い笑顔にキャーキャー騒げるの?」
「さぁ?私もアイツだけは無理だわ。腹黒いし。」
嗚呼、流石私の親友。ちゃんとアイツの性格まで理解してくれて…
「私は野崎君以外受け付けないから。」
「…」
違った。コイツは見る目が無いだけだ。
説明しよう。この女、他校の野崎君に一目惚れし、それ以来片思い中。
一回理恵が一目惚れする程の男を一目見ようと野崎君の学校に行ったときは絶句した。
160もない身長に絶対100㎏はあるだろ。
って程の体型。
一言。キモイ。