俺は頭の中が真っ白になり何も考えず、ただただなぎさを追いかけた。 俺に気づいた医者や、看護師が止めに来たが、それも振りはらって、自分の病状なんか忘れるぐらい、今はなぎさのことしか頭になかった。 『なぎさ!待てよ……!』 大声で叫んでもなぎさは止まらない。 そのまま俺となぎさの距離は遠ざかる。 『っ!はぁ……はぁ ……』 医者に見つかる頃には意識がほとんどない状態だった。